WBC稲葉選手から学ぶ
先日の報道ステーションでWBC日本代表の稲葉選手の特集を観ました。
「勝つためにはチームが一つにならなければならない」
「上の人間から下の人間に歩み寄るコミュニケーションが不可欠」
「そういう時代です」
こう話す稲葉選手はオリンピックも含め、3度目の日本代表として今回のWBCに望みます。
40才のベテランにも関わらずチームで一番大きな声を出し、ムードを盛り上げていました。
2009年大会では極度のスランプに陥り凡退を繰り返すイチロー選手のお尻をポンと叩き
「イチ、次な!」と励まします。
周囲が声を掛けづらくなるほど苦しむイチロー選手を稲葉選手が声をかけ、フォローすることで
チームはやがて一つになっていきました。
金メダルを獲得し、チームが一つになることの大切さを肌で感じた稲葉選手は今大会でも
合宿の段階からメンバー一人一人の性格や特徴をじっくり観察。
特に四番、捕手、キャプテンの三つの重責を担う阿部選手に対しては食事会でも
近くの席に座り、積極的にコミュニケーションをはかります。
自らは一歩下がり「フォア・ザ・チーム」に徹する稲葉選手を観ていて本当に素晴らしい選手
だと思いました。
ベテランになればなるほど、自分が偉いと思ったり、後輩に何かやってもらうのが当たり前だと
思うことは誰にでもあります。
ビジネスの世界でも立場が上になればなるほど役職の高さを人間的価値と勘違いしてしまいます。
時代が変わればリーダーシップのスタイルも変わります。
メンバーの目線に立ち、メンバーをサポートする新しいタイプのリーダーが今後ますます増えて
いくことでしょう。
禅語にこんな言葉があります。
「自未得度先度他(じみとくどせんどた)」
自らは未(いま)だ得ていなくても、まず先に他人に得させてあげる、という意。
つまり自分は一歩下がって、他の人を優先してあげる、という「利他(りた)」の精神のことです。
ベテランになればなるほど学びたい精神です。