クリティカルマス
クリティカルマスとは、マーケティング用語で、ある商品やサービスの普及率が
一気に跳ね上がるための分岐点となっている普及率のことをいいます。
ある商品やサービスが市場に登場すると、最初は最も先進的なイノベーター(革新者)と
呼ばれる消費者層に受け入れられ、次に新しいものに敏感なアーリーアダプターと呼ばれる
利用者層に広まっていきます。
それから徐々に、保守的な利用者層に広がっていくのですが、このとき、市場全体の普及率が
クリティカルマスに達すると、それまでの普及率の伸びが一気に跳ね上がると言われています。
クリティカルマスとされる普及率は諸説がありますが一説によれば市場の約16%であると言われています。
(IT用語辞典バイナリより)
組織改革を推進する場合に当てはめてみても、改革が組織全体に浸透するには一定の労力と時間がかかります。
組織改革がうまくいかないのは、このクリティカルマスに到達する前に諦めてしまうことも理由の一つです。
クリティカルマスについていろいろな角度から見てみます。
流行語はどのくらいの人たちが言い出したら一気に広まるのか。
動物はどのくらいの数が逃げ出すと一斉に逃げ出すのか。
ベストセラーはどのくらい売れると売れ行きが加速するのか。
スタジアムのウェーブはどのくらいの人たちがやり始めると全体に普及するのか。
よく「成功とは成功するまであきらめないことだ」と言われますが、組織変革においても同じことが
いえそうです。
このような原理原則、しくみが理解できると、組織変革も(確信をもった実行レベルに入った後は)
あまり周囲の反応に捉われずにただひたすら実行していくことが肝要だと理解できます。
組織・現場に対する十分な観察や傾聴(ヒアリング)を実施し、仮説を立てた後はクリティカルマスに
達するまで軸をぶらさずに、ただひたすら実行することです。