働くこととは・・・
来週大学3年生を対象としたキャリア講座を行うため「働くこととは・・・」について考えてみました。
このテーマ、考えれば考えるほど深いです。
そもそも「働く」って何でしょう?
英語では「働く」を表現するのに2つの言葉があります。
Labor=労働(やらされているもの=生活のために仕方なく)
Work=仕事(自主的にやるもの=目的意識ややりがいをもって)
さらにもっと高い次元ではCalling=天職という言葉もありますね。
皆さんはどのレベルで働いているでしょうか。
日本でも古くは働くことを2つに分けて考えていました。
生業=なりわい・せいぎょう。生きるために、生活するために行う働き
仕事=与えられた職分を全うすると同時に目的意識をもった働き
「働く」を考える場合、どうしても避けて通れないのが「お金」のため、という考え方です。
一方で、家族のため、社会のため、利他のため、人類のため・・・・という高尚な考えもあります。
このように何のために働くのか、というテーマは永遠のテーマと言っても過言ではないため
「生業=お金・生活のため」「仕事=目的意識をもって」というように分けて考えてみるのも
良いかもしれません。
格言などから考えてみても
「働かざる者、食うべからず」=生業
「働くとは傍(はた・まわり)を楽にすること」=利他
「これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむものに如かず(孔子)」
=仕事を好きでやっている人も、楽しんでいる人、ワクワクして仕事をしている人には敵わない。
いろいろな働くレベルがありますね。
それでは働くことで得られる「報酬」とは何でしょうか?
ここでもやはり2つに分けて考えてみましょう。
まずは目に見える報酬(外的報酬)
①給与等金銭的なものや立場など
そして目には見えない報酬(内的報酬)
②スペシャリストとしての能力(専門知識・スキル)
③やりがい・いきがい
④人間としての成長
この4つの報酬をさらに別の視点から3つに分けてみたいと思います。
①目指すもの・取りに行くもの(金銭報酬・スペシャリストとしての能力)
②瞬間瞬間に得られるもの(やりがい・いきがい)
③振り返ってみて得られるもの・実感するもの(人間的成長)
もちろん、給与や役職なども働いた結果として得られるもの、という考え方もあります。
しかし現実的には、まずは生活のため、という考え方の方が自然でしょう。
ここまで考えてみてあることに気付きました。
個人が働く目的にはステップ・段階があるということ。
そしてこれは個人だけでなく会社の経営にも同じことが言えるということです。
最低限の経費を賄うためには損益分岐以上の売上は確保しなければなりません。
これが現実です。
その上で、社会に還元する、CSR活動に注力する、未来への投資として研究開発する
というステップ・段階があるということです。
様々な異論もあるかもしれませんが「働くこととは・・・」について朝礼・会議・食事の場などで
一度じっくりと語り合ってみてはいかがでしょうか。