人を見て法を説け
例え話の上手な人には心惹かれてしまう。
人はそれぞれ生い立ちも置かれた立場も性格も異なる。
雪の結晶や人間の指紋に一つとして同じものが存在しないように
人間一人一人はすべてが違う。
「人を見て法を説け」というのは
釈迦が相手の性格や状況に合わせて説法したことから生まれた言葉である。
子育てに例えてみよう。
ずっと遊んでばかりいて宿題にまったく手をつけない子供に親は言う。
「ずっと遊んでいないで早く宿題をやりなさい!」
高熱があるのに、夜更かしして勉強をしている子供に親は言う。
「いつまで起きているの!もう勉強はやめて早く寝なさい!」
ある時は「勉強しろ」またある時は「勉強するな」
子供から見ればどっちなんだとなるわけです。
でも親は子供の状態を見て、その度に言うことを変えてるだけなんです。
職場においても、体調の悪い部下に対して、残業を強いるのはNGですよね。
マネジメントに関して言えば、メンバーの性格や能力、その時の状況に応じた
指導が大切なんです。
新人に対する指導の仕方、中堅に対する指導の仕方、当然変わってきます。
価値観の多様化が進む今日に至ってはより、相手に合わせた指導の仕方が求められます。
一元的な管理から多元的な管理に移行せざるを得ないんです。
そう考えるとマネジメントも難しくなりました。
それでは、このように相手に合わせた指導をするためにはどうしたらいいか。
メンバーをよく観察するしかありません。
コミュニケーションの場を増やすしかありません。
IT、グローバル、コンプライアンス、成果主義・・・
ますます左脳化する社会だからこそ、一体感、以心伝心という右脳的かつ
人間的なマネジメントへのシフトが必要なのです。